beautiful and wonderful

愚痴を書くブログ

ボロは着てても心は錦

ボロは着てても心は錦。

最低限、服装は清潔感を保った状態であるけれども、言い換えれば不潔ではない程度の、基準値割れを起こさない最低限のところで留まってる感じ。洗濯とか保管する服の量が増えるのとか、そもそもファッションとかについて考えるのが面倒だから基本的に良く言えばラフな、悪く言えば適当な恰好で出歩いている。何度も言うが最低限ボロではない自信があるし、ボロだなんて言ったら服を買った店に失礼じゃないかと思う。ユニクロとかユニクロとか。

言ってしまえば服装以上にもっとボロいものに囲まれて生活している。炊飯器に関しては、ある日フタが「あるべき方向」とは逆方向に折れ曲がり、ついに閉まることはなくなり米を炊いても蒸気ダダ漏れ状態になるまで逝かれてしまった。その中で炊けた米はもはや「ムラ」という言葉そのもので、外側と内側の湿り気の差が顕著でとても食えたものではなかった。犬に関する見識としては、基本的にあいつらは何でも食う生き物だなと思っているので、飼い犬がいたらきっとそいつに食わせていたが、あいにく飼い犬がいなかったのであえなく札幌市指定ゴミ袋に食わせた。米を育ててくれた農家と肥沃な大地に申し訳ないと思った。

パソコンは使い始めて6年目だが、画面の液晶の中には以前チリトマトヌードルの汁をぶちまけたときの残滓が棲みついている。事件当時はまもなく電源がつかなくなって若干ワタワタしたが、数日の間乾燥剤と一緒にポリ袋の中に眠らせておいたらある日起動した。知恵の勝利である。ボディにもなんかの食べカスみたいなのが付着しているが動作には支障がない。だが日に日に起動や動作が重くなっているのを感じる。特に「ペイント」が開きづらい。「ペイント」だけの起動に平均4分ぐらいかかるのでとても困っている。ほかに特筆すべき事項としては、いつの日からかfirefoxを開いたら設定した覚えもないHao123とかいう中国のポータルサイトに飛ばされるようになって、よく確認したらGoogle ChromeInternet Explorerも乗っ取られてた。Google Chromeだけ自力でホームをGoogleに戻して、残りのブラウザは起動にもすごい時間が掛かるようになってめんどくさいからもう使ってない。そもそも初めからブラウザ3つも要らなかったのだ。

車は日産のモコという軽自動車に乗っている。青い車体で、中古で35万で買った。価格と燃費以外に何もこだわりなく適当に安いのを選んだので、意図せずかわいらしい感じのチョイスになってしまったが乗っている中身の人間はガサツそのものなので、洗車をサボっていたら冬の融雪剤のせいでボディが錆びてしまった。あと駐車場で一回ポールみたいな変なやつにゴリゴリ戦いを仕掛けた結果、左サイドドア付近が損傷しておりディーラーに見せたら「とても見ていられない」という大層なコメントを戴いた。ここで見えるは人間の思考回路の摩訶不思議で、それまでわりと丁寧に扱っていた車も、一度なにかの事故で汚してしまったその途端にもはや車体のクリンリネス(照り映えるように磨き上げられた美しさ)などへの配慮がまったく抜け落ちてしまう。近道ならば泥の中へも入っていく所存であるし、なんなら安く買っただけあって、車同士でぶつけても大抵の場合泣くのは向こうなのではないか?ということを最近は考えている。言うなれば古傷を抱えたワガママボディのモコである。

たとえボロを纏っていても心はいつでも夢見がちなロマンチストなので、夏といえば花火をみたいなと思っているし、なんなら浴衣の女性と花火大会に行きたい。浴衣の女性と花火大会に行ってロマンチックな気分になりたいと毎年毎年思いながら、ついに今年は干支が二周もしてしまった。気付いてしまったが2014年ももう七月の12日であり、七月の12日といえば夏本番に差し掛かる一歩手前ぐらいの段階である。浴衣の女性が寄り添って花火を見てくれるような甘酸っぱいロマンが許される年齢も徐々に期限切れレベルに差し掛かっているが、札幌のひやっこい夜風や、街のどこかで自分とは関係なしに鳴っている花火の音などから少しずつでもそのロマンの欠片を拾い集めて、これが自分に与えられた精一杯の夏であると自分自身に言い聞かせる。