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愚痴を書くブログ

痛み空港

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口腔の痛みの話です。

昨年の大晦日にくちびるの左側方面裏付近を噛み切り負傷。上の男が指さしているちょうど左右逆側のあたり。2018年の終了まで残り1時間ほどというタイミングで無念にも口内炎を拵えてしまう運びとなる。

普段自宅でアイスなど食べることはないのだけれど、帰省中の実家の冷凍庫は充実しているため口が寂しくなったときについ手が伸びてしまう。当時、実家の冷凍庫にはまさに口寂しさを埋めるに相応しいミニカップゼリーが凍った状態で保管されていた。

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こういうやつ。クワガタとかがよく食うてるタイプ。

リンゴの絵がデザインされたフタをはがし、内容を口に含みいい具合に溶けてきた頃合いでグリーンの凍結物を仕留めようと咀嚼を開始したとたんに悲劇は起こる。凍結物に妨げられコントロールが困難になってしまった左下の犬歯が仕留めたのは、なんとおのが頬肉だったのである。

 

12月は仕事で多忙な毎日であった。毎日帰宅は遅く、休日返上で仕事をする日もあった。仕事納めの翌日も出勤して、なんとか年内の業務を終えて心置きなく年末年始休暇に入ったところ。2018年に何一つ置き忘れることなく新年を迎えるはずだったのに、あとわずか1時間のところで発生した口内炎を年を跨いで持ち越す形となってしまった。

その口内炎に関しても、お正月3が日のうちは比較的楽観視していた部分があった。噛みきってできた口内炎はいつもの調子でいくと3~4日我慢すれば治ると考え、あまり気にかけずに生活をしていた。しかし今回の口内炎は以下の点で一味違っていた。

①治らない

②時間の経過とともにどんどん痛くなる

 

元旦の頃はまだよかった。お雑煮を食べることに難儀した記憶はない。うどんも食べた。なんなら懲りずにアイスも食べていた。それがお正月休みも終わろうかという1月6日頃になると、辛いものが沁み、しょっぱいものが沁み、おまけに甘いものが沁み、熱いものも冷たいものも沁み、最終的には吸い込んだ外の空気が沁みるまでに暴徒化してしまった。

自分なりにここまで悪化してしまった原因を考えた結果、年始の激しい飲食習慣が起因していたのではないかという仮説を立てるに至った。食事等で刺激を与えると腫れが強くなることがわかり、そこへくると数時間飲み食いを続ける機会というのは口内炎からすると勢力拡大のビッグチャンスに違いない。ただし、酒を飲んでいる途中は痛みを忘れているのでまったく痛みが気にならない。酒というのは、物理的な痛みと精神的な痛みのどちらも忘れさせてくれるからすごい。

ここで口内炎を強く刺激し、私をして悶絶せしめた食品ランキングトップ3を紹介しようと思う。

 

3位:うめぼし

味が濃いものが基本的に沁みるのはご想像の通り。塩気と酸味のダブルパンチが口内炎を激しく刺激する。ただ、たくさん口に含む物ではないので、舌をうまく活用することである程度沁みを回避することが可能。

 

2位:わさび

お寿司のわさび。これはツラかった。うめぼしの酸味や塩気とは異なり、わさびの風味はなんというか、気化するので、じかに口内炎に触れなくても“わさびエキス”をふんだんに含んだ空気を経て間接的に痛みを与えてくる。ちなみに、わさびのない寿司は魅力が半分ぐらいになることがわかった。

 

1位:ラーメン

味が濃い+熱い。麺がしみる。スープがしみる。湯気がしみる。口内炎に触れることを避けるようにチビチビ食っていると時間がかかり最終的にのびてしまう。エンドレスで痛い。八方塞がりとはこういう状況かと思うと同時に、年始からラーメンの湯気を見つめながら“八方塞がり感”を感じるなんて思わなかったな、と思わず笑いがこぼれる。しかしフッと笑ったことによる顔の変形でなお口内炎が痛む。配膳されてから完食するまでもれなく地獄だった。

 

不幸中の幸いと言えるのは、口内炎の人にありがちな「口内炎になった箇所を食事中に再度噛みきってしまう」現象が発生しなかったこと。あれをしてしまうと口の中が痛いだけでなく、口内炎を忘れて油断していた己の甘さにも心が辛くなる。無意識に自分で自分を傷つけてしまう行為は意図的であってもそうでなくても、しんどいものである。

 

現在はほぼ完治しました。完治までの間、痛みに耐えきれずマツモトキヨシで購入した軟膏を使用。

https://www.matsukiyo.co.jp/store/online/p/4987316051055

直接患部に塗るタイプ。口の中に薬を塗るという経験がなく初めは苦戦したものの、徐々に患部にうまく塗れるようになった。後から調べると絆創膏のように貼るタイプのものもあったらしく、そちらのほうが簡単だったかもしれない。

口内炎と闘う日々は、孤独でつらいものだった。すべての食事がしみるので、わりと本気で食事が億劫になった。ほぼ完治し痛みがなくなった今、食事中の私は、ご飯だけではなく何も難儀せずに食事ができる喜びをも噛み締めている。

口腔の痛みから始まった2019年。幸先が悪いともいえるし、悪いことを先取りしたので後にはいい一年が待っているはずと考えることもできる。おみくじは中吉。とはいえ幸不幸を神頼みにしてばかりではなく、自ら手繰り寄せるよう努めたい。なんたって“噛み”で痛い目を見たから…。