beautiful and wonderful

愚痴を書くブログ

キンドルの犬

2連休はひたすら画面を見つめて過ごしました。前から気になっていた電子書籍リーダーというものを購入しました。私が新しいものを手にするときはいつだってそうで、もはや余暇の時間の大半をそこに費やすのです。休日を充実させる時間つぶし手段を探すことが近頃は目下の課題であったので、電子書籍リーダーの購入を機に読書という習慣が芽生えるといいと思います。インターネットの過度な普及にあてつけて読書をひたすら推奨するおとなの姿勢には感心しませんが、今後は両方のいいところを取って自分なりに軽い気持ちで楽しめればいいなと思います。

これまであまり読書という習慣がなかった理由は簡単で、本は手を離すとひとりでにパタンと閉じてしまうので、読書の際は両手を使って本が閉じるのを常に防ぎ続けていなければならないのと、寝ながら読むと自然と陰になって暗くなるので不便だというもの。それが総じて「肉体的にだるい」というのが主な原因であって、決して活字を延々追い続けるのはさしたる苦痛ではない。だから世間の書籍は、仮にいくらその腹に有意な情報を詰め込んでいたとしても、その姿かたちが災いして、少なくとも私というひとりのアクティブユーザーを長い時間にわたってみすみす逃してきたといえます。

中身はいいのに、とっかかりや姿かたちのせいで敬遠されるものは本だけに限らずたくさんあると思います。海の生き物の話をすれば、ウニやナマコなどはとてもじゃないが口に含むのをためらいたくなるような外見なのに、たいそうな珍味として知られているし、強烈な臭気を放つといわれるくさやなども同じ。でも、そういう「第一印象」を含めて彼らの特徴になるわけなので、殻を開ける手間であったり、臭気を我慢することも食材を味わうひとつの過程になるわけで、それらをすっ飛ばして棚上げして、中身(味や食感など)だけで評価を下すというのはきっと適切ではない。

読書をするのが偉いことだととらえるのは間違えていないかもしれないけれど、書籍の内容に私たちが導入されるその前提にある、「読書という行為が私たちにもたらす不便さ」を加味したうえで対応策を精査しなければ「若者の読書離れ」へのじゅうぶんな対応策は打ち出せないと思う。一般的な傾向はあるにせよ、読書から離れた(といわれる)若者ひとりひとりにスポットを当ててみれば、案外私みたいな簡単な理由で読書を敬遠してる人もいるんじゃないかと思います。

ともあれ、快適な寝姿勢で、暗い場所でも、書籍の内容物だけを頭の中へ吸入するのを可能にした電子書籍の功績は大きいと実際に使用してみて思いました。これなら何時間だって続けられます。すでに電子書籍のダウンロードで4,000円ほど遣ってしまい、「安価な趣味」として評価していた読書という習慣の価値に若干の疑念が生じつつありますが、今後はさまざまな分野の書籍に手を拡げていろいろなことを知った気になっていきたいと思うので、よろしくお願いいたします。