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愚痴を書くブログ

茶色の卵

白い殻の卵より茶色い殻の卵のほうが栄養価が高くておいしいというのは一般市民の全くの誤解らしいということを最近聞いた。仮にもおいしいと思ったあなたの感想は文字通り「気のせい」らしい。なんでも茶色い殻の卵を産む鶏は白い殻の卵を産むそれよりも大量の餌を食べる、よって維持費が掛かる、でもその割に産む卵の中身については大差ないという。維持費の分だけ値段も違うので、さぞかしおいしいに違いないと誤解するのもまあ無理はない。白い卵も茶色い卵も原価を考えればそこに生ずる値段の差は適正である。でも消費する側が受け取る利益は実は一緒か、もしくは茶色いほうに「高級感」という目に見えないなにかが若干量上乗せされるのみ。仮に中身が一緒だと知ったなら、あとは「高級そうな卵を買っている私」という自意識的な差異に対して差額を払えるかどうかであって、個人的にはブランド物に高い金を払うのも、プライベート・ブランドは安いから質が悪いだろうと避けて通ろうとするのも、馬鹿の所業だと思う。わたしたちの社会生活はそういう付加的に支払われる代金によって円滑に回されているわけだが。工事関係者が食えるためになんともない道路を工事したりするのも。

今日はいつも行っている3,000円くらいの理容室が軒並み休みだったので年中営業している1,500円カットのチェーン店で髪を切ってもらって、純粋に髪を切ることに支払う金額を考えたなら3,000円の個人経営ではコストパフォーマンスが悪いと思った。けれど例えば肩を揉んでくれたり、リラックスさせようといろいろ内装頑張ったり、結果はどうあれ和まそうと話しかけてくれたりすることに対して残りの1,500円を支払えるかどうかが豊かさなのかもしれないな、と思ったり思わなかったり本当のところはまあどうでもよかったりする。