beautiful and wonderful

愚痴を書くブログ

北のジミー

写真の話ですけど、撮影に関する小難しい知識が撮影者に無くても最近のカメラはカメラ側で勝手に夕焼けモードとか人物画モードとかで設定してくれるので、オートでやってるときはこういう機能がゆくゆくはもっと充実してくれれば自分ももっといい写真が撮れるしありがたいなと思ってたんですけど、最近マニュアルでいろいろいじり始めると、知識が無くてもそういった手で写真をよりよく見せられるようになっていくことははなはだ迷惑な話かもしれないなと思いました。人間は自分が多勢となにか特殊な壁みたいなもので隔てられた特別な側にあると思いこむことで優越感を感じる生き物らしいので、まったくもって健全な思考回路だった。フェイスブックやインスタグラムなどはどれだけぼくわたしが特別な感性を持っているのかを全世界に向けて発表する場であり、自称特別な感性が全国から集められて渦巻いてしのぎを削っている現場だと思ったら軽くめまいがした。けれど全世界に稲妻のような一撃を食らわしてやろうと息巻いて投稿ボタンを押すわたしもまぎれもなくその現場を形づくっている一員であって、親元を離れても弱肉強食の世界でけなげに頑張っているんだなあと感心しました。

運転免許証の更新をしてきました。会場に行ったらすごいプレゼンの鬼みたいな女の人が出てきて、スティーブジョブズさんみたいな話術とともに時速60kmの車が壁にぶつかって人形が飛んでいく映像を見せてくれた。まあジョブズのプレゼンは聴いたことがないんですけど。あと死亡事故を起こしたらその先ノージョブズですよとも言われた。だから事故は起こさないようにしようと強く誓ったが、1か月経ったら忘れているだろう。人間というのは忘れる生き物である。次の更新までの5年間、寝ても覚めても今回の講習の教訓を胸に抱き続けていける人がいたら、よほどの優等生かまたは人間ではない可能性を疑ったほうがいいと思います。特別な自分をフェイスブックで演出したいなら、5年間つねにあのときのプレゼンを胸に抱き続けてきたのに事故りました!とかの内容のほうがはるかに有効だと思いました。スパイス効いてるし。

ちなみにスティーブジョブズさんのプレゼンは聴いたことないんですけど、ジョブズとかエジソンとかその他すごいと言われる人たちがなんらかの脳の疾患か何かがあったかもしれないという話には興味があります。能力が振り切れてそれが生業にリンクした結果テクノロジーが動き出したのであって、リンクせずにくすぶっている、現状ただの「疾患」で終わってしまっている脳みそが世の中にはたくさんあるのだろうと想像するともったいない話。そしてこれは偏見ですが、脳の健全な人のうちジョブズ好きな人って疾患の人を心の中で見下していそうなイメージがあって醜いと思うので、わたしはなるべく人を見下したりしないようにしようと思いました。

脳が健全である限りきっとピカソジミー大西を超えるアーティストにはなれないであろう。世界に稲妻のような一撃を食らわす特別な存在にもなれず埋もれていくのならば、身近なコミュニティでいいね!を付けあいながら馴れ合うのが与えられた幸せなのかもしれないと思います。まあできるかぎり奇人のふりをしていようと思いますけど。