紙かアルコールか

THE YELLOW MONKEY「聖なる海とサンシャイン」 - YouTube

営業をやっているがしゃべりが下手である。しゃべりが下手であるのを自覚しているし、それが営業に影響することもあるし、上司に「端的にしゃべれ」「わかりづらい」と言われる。上司に「文章にすると途端に言いたいことが伝わりやすい。しゃべりは下手なのに」と言われ、続けて「文章うまいのはそういう勉強してたの？」と言われたので「経済学部です」と答えました。

紙に書いた文章なら何度でも読み返せるから、少しばかり間違いがあっても読み手の酌量でなんとかなるけど、話し言葉は一度発せられると巻き戻しが効かないからすごい言葉を吟味する。そしてさらに厄介なことに、話し言葉には「間」というものがあり、同時に「ペース」があり、くわえて適切な「トーン」があり、さらにいえば「声の量」もある。適切に伝えるにはこのすべてが適切である必要があるから難しいし、いっこいっこ吟味してると結局「間」がもたないから途端にペースがわからなくなって、どこを端折ったり付け加えたりしていいのか真っ白になるから余計なことを口走ったりする。口下手ってそういうところで気を遣いすぎて空回ってるのが原因であり悩みの種なんじゃないかなと思うんです。だからもっと軽率にやろうと思うんだけど、それだとさらにひどい結果になるんじゃないかと恐ろしいのでいっそしゃべり下手のままでいいです。

しゃべりで伝えると伝えたいことの50パーセントぐらいしか伝わらないから、将来はなにかを評価したり調査したりして文章にまとめるみたいな仕事か、もしくはモノを延々いじり続けてその感想をやっぱり文章にするみたいなのを一日じゅう繰り返して生業としたい。会社の異動希望調査票みたいなのにはもう毎年そういう要望を出し続けていこうと思うし、適職があったら教えていただきたい。追記事項としてブラインドタッチができてタイピングがとても速いという点も評価していただきたい。

個人的に申し上げたいのは、しゃべり下手は非常に損な役回りになることが多くて口喧嘩はまず勝てないし、相手を口説き落とすということができない、議論でイニシアチブをとることができない、酒を飲まないと話題に入れない。大事なことなので二度申し上げますがしゃべり下手なのは一見すると非常に損なので、できればしゃべり上手になりたかった。ただ、しゃべり下手でも「一見」すると損なだけで、二度や三度見ぐらいすれば僕らにも噛めば噛むほど味が出るようなおいしさを秘めているはずだという根拠のない自信と誇りがあるのです。しゃべらないのが気を遣わなくて済むから楽なだけ。だから、あんまししゃべらないと思ってもそれで評価を決めてかからないでほしい。それ言いたいことの50パーセントしか言えてないから。あと欲を言えば文章にまとめさせるか、少しばかりアルコールを入れてみてから評価してほしい。紙かアルコールがないなら評価を見送ってほしい。アルコールには強い体質をつくることでそういうのに順応してきたと考えています。元は秋田県人だし。

旭川という土地に移住して1カ月半ぐらい経ちますが、思ってたほど極寒じゃないし本州からの精神的距離が果てしなく遠い以外はそこまで支障に感じることはない。毎日真冬日だけど、外から見る旭川と住んで見る旭川ってかなり違って、たとえば本州に住んでて旭川が毎日真冬日で寒いですってニュースで見るとああ可哀想～～ってなるけど、そこに住んでると結局自分が体感しているこの気温こそが全てなので、仮につらいと思っても他の地域がどうあろうが受け入れるしかないし、逆にそれを乗り越えられれば大した障壁ではない。結局冬はどこでも寒いんだよって。